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執筆者の写真Kazumi Osawa

「みんなどこに帰るんだろう」

「みんなどこに帰るんだろう。」

電車を降りて帰路につく人達を眺めながら

真ん中あたりに ぽっかり穴が空いた12月の今日、

下北沢に向かう夜の小田急線の中でぼんやり考えている


家族であることに終わりは無いと思っていたけど

家族のカタチには終わりがあった

当たり前だけどショックだった

残り時間が少ないことは薄々感じていたはずなのに

どこか希望的な観測をしてしまっていた

いますぐ思い当たる大きな後悔はないけど

それでも自分にはもっと出来たことがあったんじゃないかと思う

これはたいへん寒くてさみしい気持ちだ

ここ1週間で冬も深まり 指先、手、足先からも冷えている

だけど気持ちを寄せてくれる人達もいて

それは心の芯の方であたたかく感じてもいる


私は体が無くなった後の世界なんて

ない方が良いと思っている方なので

矛盾した考えではあるのだけれど

もしもたましいがあるとするなら

そのあたたかいところにあるのだと思った


きっとみんなそこに帰るのだろう



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